日本助産師会出版

乳信仰探訪

松丸の観音菩薩

向方の観音さまと呼ばれる1間四方のお堂が集落の真ん中の角地にある
観音さまは赤い衣を着た高さ30cmの木造坐像で、乳貰いの観音さまとのこと

松丸は小さな集落であるが、お薬師さま、観音さま、山の神、猿田彦といった神仏がお祀りされている。このうち向方の観音さまと呼ばれる1間四方のお堂が集落の真ん中の角地にある。これは乳貰いの観音さまで、乳の祈願のためにお参りに来る人がいたこと、向方上と下の集落で祀っていること、降誕会の日にお祭りをしたり、夏には盆踊りをしたという話が『築城町誌』にある。
観音さまは赤い衣を着た高さ30cmの木造坐像であるが、もっと小さい立像も祀られており、立像は自立できなくなっていて坐像にもたれている。このお堂はオダイシサマとも呼ばれるとの記載もあり、集落の人たちが昔から大切にしてきたものであろう。

築城町誌編纂委員会:築城町誌 下巻、築城町、2006、p356、p558
写真:奥 起久子撮影(2023/11/6)

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樹木(イチョウ以外)その他現存せず奉納物(乳絵馬)奉納物(乳型)存在せず摩崖仏神社樹木(イチョウ)仏像寺院仏像(堂)岩石乳神など

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