住宅が増えてきた利田地区は、一方で神社やお地蔵さま、古い伝承も数多く残っている。
この地区にある乳神さまと呼ばれる石のお地蔵さまは、昔畑の中から掘り出されたもの。尼僧が夢の中で、乳が出るご利益があるという観音さまのお告げを聞いたとされるほか、盗まれた時には信徒の夢の中に出てきて現在の場所を告げたなど、不思議な力があるという話が『伝説とやま』『中部の民間療法』『立山町民話集』にある。
乳を出すための方法は、お供えしたお米を毎朝お粥にして食べるというもの。乳を止めたい人がお地蔵さまに乳を預かってもらうよう祈願する「乳預け祈願」も伝わっている(『伝説とやま』)。
北日本放送:伝説とやま、北日本放送、1971年、p50 https://dl.ndl.go.jp/pid/12467733/1/30
杉原丈夫ほか:中部の民間療法、明玄書房、1976年、p132 https://dl.ndl.go.jp/pid/12169789/1/70
立山町保育所連絡協議会保育研究会:むかしむかしのおはなしー立山町民話集、立山町保育所連絡協議会保育研究会、1989年、p53〜54
立山町商工会婦人部:たてやま遊歩、1989年、p24
立山船橋商工会女性部:ゆるぶら遊歩、2016年、p6 https://www.shokoren-toyama.or.jp/~tatefuna/file/yurubura_yuho.pdf
写真:内岡 恵撮影(2022/10/19)


