乳信仰探訪

西暦547年に創建されたという金沢最古の神社である
近年まで乳の祈願にくる人に米の詰まった乳袋の授与が行われていた

古墳時代である欽明天皇8年(547)に創建されたという金沢最古の神社である。奈良時代以降は神仏混淆で寺院も兼ねていたが、明治の神仏分離令により 石浦郷の地名をとり石浦神社となった。
金沢のこの地域に伝わる乳の祈願時の乳袋の授与がここでも行われていたことが、『加能民俗』にある。それによると、まず2合の神饌米が入っている三角形の乳袋を神社から2つもらってくる。これで毎日薄いお粥を作って7日間食べると乳が出る。お返しには10倍のお米を返すとある。神社の乳袋授与の控えによると、以前は遠くからも信心する人が大勢来ており、1983年時点で1カ月に2、3名程度に減ってきたとの記載がある。
宮司からの情報では、乳袋の授与は知っており、子どもの頃作成を手伝ったことがあるとのこと。現物は残っていないが三角形ではなく四角形で結構大きなものだったという(2024年4月訪問)。
石浦神社のご祭神は7柱で、中に安産を司る大山咋大神も含まれている。またそばにある広坂稲荷神社のご祭神は木乃花咲耶媛である。神社は多種類のご祈祷を受け付けているが、現在の祈祷リストの中に乳の授与は入っていない。

加能民俗の会:加能民俗、国書刊行会、1983年、p406
写真:粟野雅代氏提供(2023/5/23)、奥 起久子撮影(2024/4/12)
情報提供:石浦神社

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