乳信仰探訪

三峯の大いちょう

1981年豪雪で根元から倒壊したがこのように回復し「奇跡のイチョウ」といわれる
周囲は広場になってベンチも置かれている

色々な伝承が残る三峯地区にあるイチョウで、昔からチチや樹皮を煎じて飲むと母乳がよく出るという話が伝わっていると『樹木図説』『越前若狭の伝説』『鯖江市史』と鯖江市公式サイトにある。1991年の環境庁データベースには、「乳授けのイチョウ」とある。
越前の生まれで白山を開山するなど大きな功績を残した泰澄(たいちょう)大師の母親が、夢のお告げによってこのイチョウの樹皮をもらい受けて煎じて飲んだところ乳が出たという「乳授けの伝説」が伝わっている。
江戸時代の『越前国名蹟考』には既に古木として紹介されているという。
県指定天然記念物だったが、昭和56年(1981)豪雪で根元から倒壊して指定解除。しかし残った根から新しい幹が育って大きく成長してきたため、平成12年(2000)に市の天然記念物に再指定された。奇跡的に再生したイチョウの巨樹としても紹介されている。
1991年の環境庁データベースには、樹高7m、幹囲9.6m、推定樹齢200年以上とある。
三峯地区には、織田信長の越前攻めにより灰燼に帰した三峯寺があった。昭和12年(1937)に廃村になるまではここには10戸ほどの集落・三峰村があり、イチョウの近くには子安観音堂があったという。ここから南北朝時代に南朝方の拠点だったという三峯城址を目指して山を登っていくと、戦国時代の浅倉氏の本拠地一乗谷が眼下に見える。

河合千秋:福井縣の伝説、福井県鯖江女子師範学校郷土研究部、1936年、p341〜342
上原敬二:樹木図説 第2巻イチョウ科、加島書店、1970年、p161
杉原丈夫:越前若狭の伝説、松見文庫、1970年、p456
鯖江市史編纂委員会:鯖江市史 史料編1民俗編、鯖江市役所、1973年、p414~415 https://dl.ndl.go.jp/pid/9537128/1/228
鯖江市公式サイトhttps://www.city.sabae.fukui.jp/kosodate_kyoiku/manabenoyakata/bunkazai/sabae_bunkazai/tennenkinenbutu/64-city.html
ブログ「Dear Fukui」 https://dearfukui.jp/sightseeing/1044/2
写真:奥 起久子撮影(2024/9/9)

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