日本助産師会出版

乳信仰探訪

下田のイチョウ

光明寺の入り口に立っている。樹高25m、目通り幹周5.3mでよく目立ち、市指定天然記念物。
チチがよく発達しており、切り取られた跡が見られる。
四万十川河口の近くの集落にあり、若い住職夫妻が気持ちよく対応してくださった。

光明寺境内にあるイチョウで、樹高25m*、目通り幹周5.3m*、推定樹齢300年以上*といわれており、市指定天然記念物。雌木だがチチがよく発達して長さ1m近くまで伸びているものがある。チチの切断痕が多いので乳の祈願があったのではないか、という石田 徹氏のサイト記事**が手掛かりとなり、四万十市教育委員会に調査を依頼。当時の光明寺住職が前住職から乳の祈願が行われていたことを伝え聞いていたとのこと。また下田地区在住の年配者への取材では、江戸時代以降 昭和の初めくらいまでこの地区の人々の中では乳の祈願が行われていたそうである。祈願方法は、聞き取りでは垂れている気根を撫でるとのこと(2021年3月)。
記載された資料は確認されていないが、1991年環境庁データベースには「乳垂れイチョウ、信仰あり」とある。
光明寺は山号を法雲山と言い、浄土真宗本願寺派の寺院。もとは戦国時代の伊予の武将河野教宗が僧となって建てた浄光寺と言う寺院だったという。明治になって廃仏希釈のため一時廃寺になったが、大正時代に現在地に光明寺として再建されたものという。

サイト人里の巨木たち http://www.hitozato-kyoboku.com/shimoda-koumyouji-ichou.htm
写真:奥 起久子撮影(2023/9/9)
情報提供:四万十市教育委員会

Tag

樹木(イチョウ以外)その他現存せず奉納物(乳絵馬)奉納物(乳型)存在せず摩崖仏神社樹木(イチョウ)仏像寺院仏像(堂)岩石乳神など

Archive

福岡県徳島県佐賀県香川県長崎県愛媛県熊本県高知県大分県宮崎県四国地方鹿児島県九州・沖縄地方