ツツジ公園として開放されている興善寺の広い裏山の通路の脇に、根元に大きなコブのある一本のスギがある。「乳の木」という表示板が立っている。お寺では謂れや実態については把握していないが、根元にお賽銭が置かれていることもあるので、乳の祈願のためにお参りする人がいるのではないかとのことである(2022年取材)。
大興善寺は山号を小松山と言い、十一面観世音菩薩をご本尊とする天台宗の寺院。別名つつじ寺と言われて5万本のツツジが咲き誇る。養老元年(717)行基が開創。承和14年(847)慈覚大師円仁によって再興されたという古刹である。
山号の小松は平重盛の別名小松内大臣に因んでおり、境内には重盛の供養塔がある。契山(ちぎりやま)の山裾にあり、本堂は趣のある茅葺き、広い境内には緑が多く落ち着いた雰囲気の山のお寺である。
なお北九州市にも同名の大興善寺がありおっぱいの木があるが、こちらはクスノキである。
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写真:大興善寺提供