筑後市の中心部から少し行った場所にある寛元寺、その本堂前に観音堂がある。もともと鷲寺区にあった松源寺の本尊だったが、火災のため明治初期に移されたという乳婦(ちぶ)観音が祀られている。
昔から乳が得られると信仰を集めていたという話が、筑後市教育委員会編の『筑後市の文化財』と現地案内板に書かれている。観音さまは火災でかなり黒く焼けており痛々しい姿である。住職からの情報では、昭和30年(1955)頃までは乳の祈願の人が来ていたこと、妊娠中とお礼参りの2回のお参りが普通だったこと、以前は祈願のために小さい乳型をしたものを縦にたくさん紐で吊るしたものがお堂に奉納されていたという(2022年5月訪問)。
寛元寺は本堂、観音堂ともに2019年に改築されて新しくなっている。
寛元寺は山号を五葉山という臨済宗南禅寺派の寺院で、筑後三十三ヶ所観音霊場の第21番札所。寛元元年(1243)に鎌倉幕府から筑後に赴任してきた地頭の西牟田家綱により建立され、いろいろな文化財が伝わる。
筑後市教育委員会:筑後市の文化財(平成16年度版)、2004年、p3
https://www.city.chikugo.lg.jp/var/rev0/0025/4938/2013227102648.pdf
写真:奥 起久子撮影(2022/5/5)



