黄金の薬師如来がご本尊として祀られており、略縁起によると「美濃の国の乳薬師」として名高いとある。『岐阜市史』には、ここにお米をお供えして7日間願をかけたあと、そのお米でお粥を炊いて食べると乳がよく出るとある。『日本産育習俗資料集成』(p349)、地元の冊子「加納の町」にも、乳の祈願のための場所であることが記載されている。
水薬師寺は山号を水上殿という臨済宗妙心寺派の寺院。『加納町史*』に薬師如来の謂れが書かれており、それによると慶長17年(1611)に当時の広江村(現南広江町)の清水川で少年伊三郎が、寸余の黄金仏を水中から拾い上げた。2代目加納城主である松平忠政と母である亀姫(家康の娘)が、清水川に浮御堂を建立してこの黄金仏を安置、水上殿としたという。元禄16年(1703)周意禅師が沼を埋め立て、現在の地に本堂を建て現在に至っている。岐阜の市街地にあって、駅からも至近距離の場所。毎年夏に行われる清水川の水薬師まつり万灯(まんとう)流しは多くの人出で賑わう。
*太田成和:加納町史下巻、加納町史編纂所、1954年、p867〜871
岐阜市:岐阜市史 通史編 民俗、岐阜市、1977年、p722〜723
サイト「東海四十九薬師霊場」 http://tokai49yakusi.sub.jp/15.htm
加納まちづくり会・加納ロータリークラブ:加納の町、2018年 https://gifukanoh.com/wp-content/themes/kanohrc2018/pdf/kanoh-no-machi.pdf
写真:内岡 恵撮影(2023/3/2)


