氷見市街地から近く、自然豊かな上日寺境内にあるイチョウの巨樹である。樹高36m*、目通り幹周12.0m*、樹齢伝承1300年*といわれていて国指定天然記念物。古くから霊木として尊崇され、乳の祈願については、氷見市の公式サイトや市作成の「上日寺のイチョウ」のパンフレット、富山県教育委員会と氷見市教育委員会が共同で立てた現地案内板に記載されている。
『北陸・近畿巨樹名木めぐり』には母親たちが乳の祈願のためチチを削り取って煎用したと、『樹木図説』には乳の病気を治すとのことで、夜陰に乗じて木の皮が削り取られると記載されている。
富山県の樹木の中では一番の巨木で、また雄木の多いイチョウの巨木の中で雌木としては日本で一番の大きさとのことで、毎年180ℓものギンナンが実る。地上3〜5mの場所から大小無数の気根が垂れていること、煎じて飲めば母乳が出るようになるという民間信仰のためその先端が削られていると現地案内板にある。
上日寺の山号は朝日山、富山湾越しに立山連峰からの日の出を望むことに由来するという。白鳳10年(681)に法道上人が創建し、白山開山の祖である泰澄大師も修行したと伝えられる。代々領主の庇護を受けて栄え、このイチョウの木に因んで「銀杏精舎」と呼ばれたという。
*1991年環境庁データベースより
上原敬二:樹木図説 第2巻イチョウ科、加島書店、1970年、p160〜161
牧野和春:北陸・近畿巨樹名木めぐり、牧野出版、1990年、p6〜7
氷見市公式サイト https://www.city.himi.toyama.jp/gyosei/soshiki/hakubutsukan/bunkazai/2147.html
写真:内岡 恵撮影(2022/10/19)



