乳信仰探訪

県道51号線脇に祠がたっている
室町時代のものといわれるお地蔵さまで、お花が備えられてお参りされている

県道51号線脇にあって、空熊町の旧家所有で室町時代のものといわれるお地蔵さま。高さ約70cm、光背が雲光で手に錫杖をもつ延命坐像の姿をしている。「乳もらい地蔵」と呼ばれて、昔から地元の人々に信仰されていたという話が『日本伝説名彙』『改訂総合日本民俗語彙』『輪島市史』にある。出典は『鳳至郡史(ふげしぐんし)』とのこと。
『輪島市史』によれば、沖の崎の海底から引き揚げられ、奥山から運んできたらここで動かすことができなくなり、そのまま安置したとある。煎り菓子、ろうそく、お線香を添えて祈るとよいといわれ、母乳が出るようになったら、盆・正月または年の暮れにお礼詣りし、珍しい食べ物のほか、お地蔵さまの帽子や前垂れを奉納する習慣があったという。
この旧家は中舎(なかすな)家といい、「なかすな」即ち乳を授かって充分に赤子に飲ませて泣かさないように、という意味を持つ屋号であると記載されている。

日本放送協会編・柳田國男監修:日本伝説名彙、日本放送出版協会、1950年、p411
民俗学研究所:改訂総合日本民俗語彙 2巻、平凡社、1955年、p924
輪島市史編纂専門委員会:輪島市史7巻 通史・民俗編、1976年、p681  https://dl.ndl.go.jp/pid/9536984/1/360
サイト「能登の民話伝説」 https://geolog.mydns.jp/www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/6989/LegendsInNorthNoto-6.htm
写真と資料提供:輪島市教育委員会(2021/10/1撮影)

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