乳信仰探訪

西円山の乳房地蔵

資料に左の乳房が大きいとあるが、別に取り付けたようにも見える
横から見ても飛び出して見える大きさ

西円山(にしまるやま)の白山神社参道の右手にある細い山道を10分ほど登って行った林の中にある。資料に乳房地蔵とあるが、地元の人たちは乳貰い地蔵と呼んでいて、道を整備し大切に守っている。左側の乳房が大きく、それを撫でた後で自分の乳房を揉んで祈願すると母乳が出るようになるという。『新修門前町史』には、他人に見られないようにお参りする、お礼には煎り菓子をお供えする、乳をよく撫でるほど効果がある、という記載がある。
『輪島市史』によると以前は東大野村(現輪島市)にあったが、通りかかった村人が、連れて行ってくれという地蔵の声を聞いて背負ってここまで来たところ、急に重くなって運べなくなりこの場所に置かれたという。何度お堂を建てても焼けたり毀れたりしてしまうので、そのまま野晒しになっているのだそうだ。
『日本伝説名彙』には、急に重くなって運べなくなったことのほか、お米を供えて祈願すると書かれている。
輪島市には地蔵が多く、門前町だけでも2003年調査で78か所と報告されている*。地蔵祭などの実行やその管理は地元の方々がボランティアで行っており、高齢化に伴って存続が危惧されているほか、震災の影響も懸念される。

*加納民俗の会:加納民俗研究(雑誌)、2003年、P16〜22
日本放送協会編・柳田國男監修:日本伝説名彙、日本放送出版協会、1950年、p411
輪島市史編纂専門委員会:輪島市史7巻 通史・民俗編、1976年、p682 https://dl.ndl.go.jp/pid/9536984/1/361
門前町史編さん専門委員会:新修門前町史 資料編6 民俗、2005年、P230〜231
サイト「能登の民話伝説」 https://geolog.mydns.jp/www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/6989/LegendsInNorthNoto-6.htm
写真と資料提供:輪島市教育委員会(2021/10/01撮影)

カテゴリー

内容

県名検索