乳信仰探訪

持明院の妙蓮

持明院の蓮池に成育する蓮の葉のお茶に乳の出の伝承がある
この蓮は妙蓮という特別な種類で、県指定天然記念物

持明院の池に生育している妙蓮という蓮の葉をお茶にして服用すると、乳の出に効用があるという。以前の持明院公式サイトには、「妙蓮は・・・一つの花弁の数は千五百枚から三千枚を有す。蓮の実というものがならず、花のままに枯れる。妙蓮これを煎服すれば、乳の不足その他血の道の薬として古来有名なり」と記載されていた(サイト更新後なくなっている)。
明治初め頃作成された寺院に伝わる1枚刷りの文書『妙蓮略縁由』に、「服用スレバ諸病ノ煩悩ヲ治シ眼前ニ乳満セリ」と、また『持明院妙蓮池縁起』には、「煎服セバ諸病に効験アリ就中乳ヲ患ウモノニハ最モ著シキ功徳」と書かれており、『加賀妙蓮の系譜』に引用されている。
『日本産育習俗資料集成』には、石川県のみならず富山県や福井県でも乳の出には持明院の妙蓮の葉を飲むと記載されており、広く知られた情報だったようだ。現在販売しており、庵主からの情報では、以前は乳の出のために飲む目的での依頼が多かったという(2021年取材)。日本ではこの持明院と滋賀県守山市にのみ生育しているもので、県指定天然記念物。
持明院は山号を白髭山と称し、大同5年(810)頃に弘法大師が創立したと伝わる高野山真言宗の寺院。以前は金沢駅前にあったが、周囲の開発によって蓮の生育環境が悪化したため、昭和46年(1971)現在地に妙蓮を移植し、寺院も移転した。

田中喜男:加賀妙蓮の系譜、高島文庫、1968年、p11〜14
恩賜財団母子愛育会編:日本産育習俗資料集成、第一法規出版、1975年、p341〜342 https://dl.ndl.go.jp/pid/12166792/1/174
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写真:内岡 恵撮影(2022/10/21)

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