市街地からかなり離れた山の中のお寺という雰囲気の正高寺で、本堂の扉に乳型のぬいぐるみが下げられていることで知られる。
ここの奥院に安置されている子安観音は、『中部の民間療法』に、安産・子授けの霊験が顕著で、多くの母親が参拝すること、願いが叶ったらお礼に乳首のぬいぐるみ(最近は代わりに人形)を奉納するとの記載がある。味真野観光協会が立てた現地案内板の記載も、安産・子授けである。
正高寺の観音への乳授けの祈願について記載された書籍は見当たらないが、個人のブログには安産・子授けと併記された記載がある。
また、『越前若狭の伝説』には、以前堂が平にあった観音さまが現在文室町に納まっていて、「乳もらいの観音」として崇められているとある。正高寺の観音の由来とは食い違いがあるようだが、別途乳の観音があるのかどうかは不明。
子安観音は如意輪観音で市の指定文化財であり、全身に金泥・切金・彩色が施されていて南北朝時代の作と考えられている(現地案内板)。寺院に伝わる如意輪観世音菩薩略縁起には、欽明天皇がここにお寺を建立した際安置したとあるそうで、味真野観光協会の現地案内板では、インドで作成された如意輪観世音菩薩で中国を経て日本に伝わったものとの記載がある。
正高寺は山号を福聚山という。元は真言密教の寺院で、慶長11年(1606)に盛誉上人によって再興され浄土宗となったという古い歴史を持つ。
杉原丈夫:越前若狭の伝説、松見文庫、1970年、p535 https://dl.ndl.go.jp/pid/12467707/1/282
杉原丈夫ほか:中部の民間療法、明玄書房、1976年、p28 https://dl.ndl.go.jp/pid/12169789/1/18
サイト「戌の日の安産祈願」https://inunohi.com/anzan-kigan/tyubu/fukui/koyasu-kannon/
ブログ「福井県 大好き!!」http://nipponn-daisuki.seesaa.net/article/84242668.html
写真:内岡 恵撮影(2022/12/5)



