境内正面の観音堂に乳乞信仰で知られる有形文化財の十一面観音が祀られている。乳授けに霊験あらたかで、「信心の女人に母乳を豊かにする霊験あり」「乳乞観世音菩薩」として1950年代までは参詣者が絶えなかったと正法寺公式サイトに記載がある。
境内観音堂脇には「乳乞観世音」と記載された石碑のほか、「乳なくば たずねてまいれ 正法寺 必ず利益あるぞうれしき」とのご詠歌が刻まれた石碑が立っている。
十一面観音は寺伝には「往古海中ヨリ出現セリ」と記載されているとのことで、『羽島市の伝説と史談』には川から引き上げられた話が記載されている。正法寺公式サイトでは、織田信長の比叡山焼打ちの時、家臣の柴田勝家が炎上するお堂から運び出した仏菩薩の中の一体をこのお寺に納めたものという話がある。
正法寺は永禄6年(1563)に建立、天正15 年(1587)に、立政寺(りゅうしょうじ)15世恵空智玉が開山したという寺院で、浄土宗西山派。境内には、小さいが乳垂れ銀杏と呼ばれるイチョウ、「臥龍の松」と言われるマツの巨木、松尾芭蕉の句碑がある。
羽島市史編纂委員会:羽島市史 第2巻、羽島市役所、1966年、p175
並河晴夫:美濃国 羽島市の伝説と史談 前編、カヨウ出版、1977年、p144〜150
正法寺公式サイト https://syoubouji-boen.com/about/
羽島市観光協会サイト https://hashimakanko.jp/store/syouhouji/
写真:内岡 恵撮影(2023/3/2)


