乳信仰探訪

安居寺 蓮の葉茶

蓮池があったという場所は干上がって草が生い茂っている
安居寺は古い歴史を持つ大きな寺院
古い地図には2つの蓮池が書かれている(富田家提供)

安居(あんご)寺は養老2年(718)建立という歴史を持つ大きな寺院。ここの蓮池に金沢の持明院から分植した妙蓮をはじめとして色々な種類のハスが生育しており、安居寺ではこの蓮の葉をお茶がわりに客にすすめ、また乳の出る霊薬として重宝がられてきた、という情報が『福野町史』に蓮の写真とともに掲載されている。
それによると、明治34年(1901)に分植された妙蓮は天然記念物に指定されていた。他にハスの研究で有名な大賀一郎博士から寄贈された玉繍という種類のハス、千葉県の遺跡から発掘した2000年前の大賀蓮、ミシシッピ沿岸で発見された黄蓮が植えられたとある。しかしこれらは現在生育しておらず、池の水は枯れて蓮池跡は茂みになっている。
寺院関係者からの情報では、ハス茶を実際見たことはなく、乳の祈願の話は行われていたとしても戦前の話であろう。詳細については何も伝わっていないとのこと(2026年2月聴取)。
安居寺は山号を弥勒山能勝院という高野山真言宗の寺院。インドから渡来した善無畏三蔵が創建したと伝えられている。加賀藩前田家の勅願所として保護され、多くの有形文化財、重要文化財を有している。

『福野町史』福野町史編纂委員会、福野町役場、1964年、p720 https://dl.ndl.go.jp/pid/2991896/1/386
写真:奥 起久子撮影(2026/5/18)

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