景好寺のある小鯖地区は、郊外の住宅と山林・畑が混在する地区、以前は小鯖村といった。『小鯖村史』に毛割の景好寺に母乳のよく出る家伝薬があった、という記載がある。「乳の薬」という名前しか伝わっていないが、木の皮のようなもので、希望する者に無料で授与していたという。「境内にある菩提樹の皮ではないか」とある。
寺院関係者の話によると、現在その情報は伝わっていないとのこと。ボダイジュは現存するが、本幹は枯れて側から生えた若木が成長している(2024年7月取材)。
イチョウの樹皮は催乳剤として広く用いられており、寺社で祈願に来たものに授与していたという記載は複数の資料で見られるが、イチョウ以外ではスギの皮がいくつかある程度で、ボダイジュの皮というのはここ以外には見られず珍しい。
景好寺は浄土真宗本願寺派の寺院で、ご本尊は阿弥陀如来。縁起によると寛永18年(1641)に毛利輝元の家臣であった戦国大名・宍戸景好の子息である大室休円が開基したという*。名称は休円の父の名前に由来する。元禄17年(1704)に現地に移転し、以後長く地域から信仰されている。
*https://www.city.yamaguchi.lg.jp/uploaded/attachment/86352.pdf
坂倉道義:小鯖村史、小鯖村史刊行会、1967年、p560 https://dl.ndl.go.jp/pid/3027661/1/293
写真:奥 起久子撮影(2024/7/6)


