光西禅寺(こうさいぜんじ)は能登半島の石川県境近くの山の中にある。空海作といわれる延命地蔵があり、俗に酒呑地蔵と呼ばれて乳の出に霊験があるとの情報が『越中資料叢書』にある。元資料は明治31年(1898)の『越中寶監』で「此の地蔵につき不思議なるは産婦人の乳の乏しきもの、地蔵頭上に酒を灌浴し祈願を籠むれば往々霊験ありという」とある。
能州石動山にあった地蔵で、明治2年(1869)にここに移動したものとのこと。石動山は石川県中能登町にあって、山岳信仰の山として国指定遺跡である。
地蔵は本堂と繋がっている隣の地蔵堂の正面中央に祀られていて、酒がかけられていた部分は変色。台座の下にはこぼれた酒が受けられるような大きな木の受け皿(枡)がある。前住職夫人(79歳)からの情報によると、乳の祈願で参拝する人は今はいないが、以前は時々来ていたとのこと(2026年5月訪問)。
光西禅寺は山号を東旭山という曹洞宗の寺院。戦国時代の天正2年(1574)に笑山宗滝が開山という長い歴史がある。
泰山哲之:越中資料叢書(本巻)(渡辺市太郎:越中寶監)、歴史図書社、1973年、p128 https://dl.ndl.go.jp/pid/9536333/1/83
写真:奥 起久子撮影(2026/5/17)



