乳信仰探訪

境内のイチョウは窮屈そうに立っている
日枝神社は創建が延長年間(923~930)という古い歴史を持つ

西谷は戸数20余りの静かな山村地帯である。そこの日枝神社の境内に、樹高約20m、目通り幹周約4mのイチョウが(樹齢不明、指定なし)立っている。ご神木で根本に小さな祠があり、次のような話が『福井県神社誌』『名田庄村誌』『名田庄のむかしばなし』に記載されている。
昔近くの琴の浦谷という場所に姫が滞在して、いつも琴をひいていた。お産の時に村人が助けて安産させたので、姫は「今後この村の産婦には難産をさせない」と誓った。よって今に至るまでこの村に難産になる者は出ない。
『福井県神社誌』『名田庄村誌』にはイチョウからは大きな乳房様のものが多数垂れていて、『名田庄のむかしばなし』には、大きな乳首様の銀杏が実ることから、ここのイチョウは乳イチョウと呼ばれ、近郷の乳のない産婦がお参りする、とある。
西谷は戦国時代に小浜城主武田氏の家臣土屋六郎左エ門が居城していたという古い集落。日枝神社は創建が延長年間(923~930)という大変古い歴史を持ち、大山昨命(おおやまくいのかみ)を祀っている。

島津盛太郎:福井県神社誌、福井県神職会、1936年、p360
名田庄村:名田庄村誌、名田庄村、1971年、p434
名田庄村民話講座編纂委員会:名田庄のむかしばなし、1990年、p80〜82
サイト「丹後の地名:西谷」https://tangonotimei.com/wakasa/ooi/nisidani.html
写真:内岡 恵撮影(2023/6/27)

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