如願寺(にょがんじ)山門の入口脇にある小さな石の地蔵さま。乳地蔵と呼ばれ、安産と乳の出に効果があるという話が個人のブログにある。住職夫人からの情報によると、由来などは不明で、記載された資料もないとのことだが、昭和30年代(1955〜65)くらいまではよく甘酒が前に供えられており祈願する人がいたという(2021年7月訪問)。
境内には他に火松地蔵がある。3体並んだお地蔵様のうち1体が松の根元に巻き込まれていたが、松が落雷で倒れたため松の根っこと一緒に祠に並べてお祀りされている。
如願寺は山号を巌松山という現在高野山真言宗の寺院。天の橋立にむかう道路を途中で左折して山に向かい、せせらぎを見ながら橋を渡って境内に入る。
万寿元年(1024)に皇慶上人が比叡山延暦寺から薬師如来を背負ってこの地に来て開いたという古刹で、丹後守護職一色氏の家臣である小倉氏によって庇護され一時は30余もの堂宇があったとのことだが、戦国時代に兵火により全て焼失。その後領主となった細川忠興が天正年間(1573〜1592)に再興し、その後は歴代宮津藩主から庇護された。仁王門などが京都府、宮津市の指定文化財となっている。本尊薬師如来の他に、聖観音、十一面観音を祀る。
ブログ「宮津まちなか願掛け地蔵巡り」 https://www.kyoto-sky.net/assets/pdf/attempt/course/miyazu5.pdf
「京都の観光旅行ガイド」https://e-kyoto.jp/nyogan-ji.html
写真:奥 起久子撮影(2021/07/23)


