乳信仰探訪

田んぼから参道の石段を上がっていった場所にある
赤い屋根の薬師堂は乳薬師堂と呼ばれたという

実勢の富岡集落から入っていった北谷地内の丘の麓に乳薬師堂がある。周囲は田園地帯。赤い屋根で、薬師如来・日光菩薩・月光菩薩が祀られていて、乳薬師として参詣人が多かったという話がサイト「丹後の地名プラス」にある。出典は『丹波町誌』。かなり古いものらしいが、建てられた年代等は不明とのこと。
「重かった仏像」という伝説が伝わっており、昔これを風呂敷に包んで盗もうとした不心得者がいたが、何故か重くて立ち上がることができず、諦めてそのまま立ち去ったという話が同じ『丹波町誌』にある。
薬師堂は少し離れた場所にある照日山松岳寺が管理しており、年1回の祭日には地域の人たちが集まって住職がお経をあげるという。住職からの情報では、耳のご利益については聞いており、耳の祈願で奉納されるという穴の開いた石が奉納されているのを見たことはあるが、乳の祈願については聞いていないとのこと。近くの年配の男性の話では、どちらのご利益についても聞いたことがないとのことだった(2022年10月訪問)。

丹波町誌編さん委員会:丹波町誌、丹波町役場、1985年、p1050
サイト「丹後の地名プラス」http://www.tangonotimei.com/ktanba/jisse.html
写真:奥 起久子(2022/10/18)

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