乳信仰探訪

市杵島姫神社 乳の泉

乳房の形をした2つの口から水が湧き出て人目を引いている
すぐそばにある祠の前には以前は乳型が奉納されていたそうだ

市杵島姫神社(いちきしまひめじんじゃ)の境内では、乳房の形をした2つの口から水が湧き出ている。現地案内板に、冷たい水が枯れることなくこんこんと湧き出ていること、文化11年(1814)に嵯峨御所から要請があってこの水を届けて大変喜ばれたこと、それ以来「乳の泉」と称され飲むと必ず乳が出るようになるということで、市内はもとより大阪や神戸から参詣の人が絶えない、という話が記載されている。またそれと並べて、出産後困っていた嵯峨御所の皇女が、かつて助けた白蛇のお告げでこの泉にたどり着き、飲んだところ乳が出るようになったという逸話も記載されている。
『ふるさと亀岡をつづる』には、以前は祠の前には祈願のために奉納された布の乳型がいくつもぶら下げられていたと書かれている。
市杵島姫神社の創建年代・沿革等は不明。白髭神社の境内社の1社で、鳥居を潜ってすぐの場所、弘法大師が勧請したという伝承がある弁財天社の左脇にある。

垣田五百次・坪井忠彦:口丹波口碑集、郷土研究社、1925年、p39〜40
福知 正温:ふるさと亀岡をつづる、大学堂書店、1982年、p19〜21
ブログ「北近畿天然水を求めて」http://mizukumiman.blog.fc2.com/blog-entry-145.html
サイト「口丹波の社―市杵島姫神社」http://kuchitanshrine.my.coocan.jp/mitaraibenten.html
写真:内岡 恵撮影(2005/12/7)
資料提供:亀岡市文化資料館

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