交野市郊外にある獅子窟寺(ししくつじ)は山岳寺院として建てられ発展した寺院で、山の上にある。本尊薬師如来座像は平安時代初期(西暦900年頃)のものとされる国宝である。
書かれた資料はないが、古来より授乳・子育てのお薬師さんと信仰を集めているとサイト「大阪のご利益さん」にある。この薬師如来は授乳の霊験が著しい仏さんで、昭和の初め頃まではお参りに多くの方が見え、霊験のお陰でおっぱいがたっぷり出たと感謝されたという話が、寺院関係者からの情報として、サイト「古都奈良の名刹寺院の紹介、仏教文化財の解説など」に紹介されている。
「安産地蔵」は、寺院への参道である山道を登っていくと中ほどの山側に立っている。安産で乳がよく出ますようにと祈願されたとの情報が『交野市史』にある。室町時代の作と思われるとのことで、高さ52cmほど、明治の廃仏毀釈の折に頭部が落とされたままである。
獅子窟寺は山号を普賢山という現在真言宗高野山派の寺院。開基は大変古く役小角(えんのおづぬ)によるといわれ、行基が堂舎を建て、弘法大師も修行したという。鎌倉時代には、亀山上皇の病がこの薬師如来のお陰で治癒したことから庇護を得て隆盛を誇り、12院が建てられていたとのこと。慶長20年(1615)大坂夏の陣の際大阪方に従わなかったため、大野治長により全山が焼き払われた。その後小規模で再建されて今に至る。
交野市史編纂委員会:交野市史 民俗編、交野市、1981年、p261〜262
https://dl.ndl.go.jp/pid/9574928/1/156
サイト「大阪のご利益さん」http://www.goriyaku.kotomeguri.com/osaka/goriyaku/kodomo/shishikutsu.html
サイト「古都奈良の名刹寺院の紹介、仏教文化財の解説など:薬師如来像の話」 https://www.eonet.ne.jp/~kotonara/yakusinyorai.htm
ブログ「交野市の名所旧跡」
http://murata35.chicappa.jp/meisho/sisikutuji/sisikutuji.htm
写真:奥 起久子撮影(2023/1/29)