乳信仰探訪

乳子の森の一隅に乳児神社の案内板と岩石、絵馬置き場などがある
三頭の岩の下方には湧水が流れている
乳の祈願の情報がある乳母神社

山県市葛原と本巣市根尾を結ぶ峠道の途中に乳児(ちご)の森公園がある。この公園内に乳の祈願が伝えられる乳児(ちご)神社があると、『美山町史』『美山の民話』にあり、山県市公式サイト、山県市観光協会サイトで紹介されている。
それによると継体天皇(在位507〜531年頃)が関係する伝承がある。皇位継承争いから身を守るため、赤ちゃんだった男大迹王(をほどのみこと)が乳母のおなみに預けられ、ここ山奥の根尾村で隠れて暮らしていた。おなみは3つの頭を持つ不思議な岩石から湧き出る泉を見つけ、その水を飲んで祈願したところ乳がよく出た。その岩石が乳児神社のご神体で、乳房の神として崇められるようになったとある。
成長した男大迹王は上京して第26代継体天皇となった。別れに際して植えた桜が公園内の「おなみ桜」で、春の開花時にはイベントが開催され賑わう。
神社というが社殿はなく、岩のそばに「乳児の森『乳児神社』」という謂れが書かれた案内板(山県市が設置)と簡素な模型のような祠と絵馬置き場がある。
なお公園から1.5kmほど離れた場所には、鳥居、石段の参道、社殿や境内社のある乳母神社がある(山県市葛原3275)。ご祭神が玉依毘売命という以外公式データのない神社だが、近くに住む高齢女性からの情報では、昔から村で守ってきた神社で、ここにお乳が出るようにお参りしていた、今も年4回のお祭りを継続している、とのこと(2026年9月今井氏訪問)。乳児神社の伝承との関係については情報がない。

美山町:美山町史 通史編、美山町、1975年、p1305〜1306
https://dl.ndl.go.jp/pid/9536982/1/688
美山町教育委員会/「美山の民話」編集委員会:美山の民話 第一集、美山町、1991年、p40〜43
山県市公式サイトhttps://www.city.yamagata.gifu.jp/site/yamanavi/1169.html
山県市観光協会サイトhttps://www.kankou-gifuyamagata.jp/article/deatils/chigonomori
写真:今井永子氏提供(2026/9/18撮影)
情報提供:山県市教育委員会

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