鏡宮にある少彦名社(すくなひこなしゃ)はかつて薬師社ともいわれ、小さい神社だが「子宝」「病気平癒」のご利益で知られる。神社が建てた現地案内板には『富山県神社誌』の「往昔より乳不足の婦女、この神社に参詣して乳を与えられんことを祈願すれば、その霊験顕著なるを以て遠近より参詣するもの絶えず」が転記され、少し前まではよく乳が授かるように祈って餅米の粉や、藁で編んだミニ「つぶら」が拝殿の前に供えられていたものである、という記載がある。
『越中伝説集』には、ここに乳の祈願をすると霊験あらたかといわれ、昔から多くの人たちがお参りしたこと、祈願のために小さな藁籠を持参してお参りする人が絶えない、と記載されている。『伝説とやま』『中部の民間療法』にも乳の祈願が行われたとある。
少彦名神社は富山県内には何か所かあり、射水市には八塚332にも同名の神社がある。少彦名命(すくなひこなのみこと)は一寸法師のモデルともいわれる神話に登場する大変小さい神さまで「国造りの神」「医療・薬の神」「酒の神」とされている。
小柴直矩:越中伝説集(富山県郷土史会叢書4)、富山県郷土史会、1959年、p112〜113
北日本放送:伝説とやま、北日本放送、1971年、p27 https://dl.ndl.go.jp/pid/12467733/1/18
杉原丈夫:中部の民間療法、明玄書房、1976年、p132 https://dl.ndl.go.jp/pid/12169789/1/70
富山県神社庁:富山県神社誌、1983年、p555
写真:内岡 恵撮影(2022/12/5)



