乳信仰探訪

岩の上部に掘られた座仏で、「乳の神様」として祈願された(南越前町教育委員会提供)
岩は道路脇のやや高いところにあるので、見つけにくくなってきている(南越前町教育委員会提供)

乳地蔵というが、岩石に掘られたものである。山深い場所にあって、今は知る人も少なく、大変わかりにくくなってしまった。
午房ヶ平の越前送受信所から杉山集落への道路の途中に高さ幅共約2間(4m弱)ほどの岩があり、その上部に高さ1尺2寸(約35cm)ほどの座仏が彫られている。むかし弘法大師が刻んだと伝わっており、「乳の神様」として茶菓をお供えして乳の出を祈願したことが『福井縣の伝説』にある。
「乳地蔵」「乳岩」とも呼ばれていたようで、『日本産育習俗資料集成』には、乳の祈願の場所として、杉山の地蔵様に乳型などを供えると記されている。
この杉山集落は数年前(2023年時点の情報)に無住となったので管理者がいなくなり、また岩の風化が進んでほとんど普通の岩のような感じになった。目線の高さより1~2m上の斜面にあるので、道路からは視認しにくくなってしまっている。

河合千秋:福井縣の伝説、福井県鯖江女子師範学校郷土研究部、1936年、p508
福井県鯖江女子師範学校/福井県立鯖江高等女子校郷土研究部: 福井県の伝説、鈴木昭雄(出版)、1973年、p527( 1936 の復刻版)
恩賜財団母子愛育会編:日本産育習俗資料集成、第一法規出版、1975年、p345
写真と情報提供:南越前町教育委員会

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