敦賀市郊外の県道225号線沿いにある金山彦神社境内にあるイチョウは、樹高19m*、幹囲7.7m*、推定樹齢300年以上*で、市指定天然記念物となっている。注連縄が張られているご神木でチチが下がっており、古来「乳の神」と呼ばれ、このチチを煎じて飲むと乳の出がよくなるという話が、敦賀市文化財指定時の現地案内板や『越前若狭の伝説』に書かれている。
『福井県神社誌』には、古来より乳の神と称され、皮を煎じて飲めば直ちに奇特ありと近況遠方より来るもの多しと、『敦賀郡神社誌』には木を煎じて飲めば乳が出る、県指定天然記念物とあると記載されている。
古くは、嘉永年間(1848~1854)に石塚資之が著した『敦賀志』に、「銀杏の形、乳頭の如く又白く乳汁の如くもの出で、婦人の乳出ざるもの、この木を煎じて服すれば乳出る」という記載があるとのことである。
金山彦神社は延喜式にもある古社で、天長3年(826)の創始と伝えられており、祭神は金山彦大神。広い境内には、他にも同じ市指定天然記念物のハゼノキを始め、スギ、ケヤキ、ヒノキ、タブノキなどが生い茂っている。
*1991年環境庁データベース
石井左近:敦賀郡神社誌、福井県神職会敦賀郡支部、1933年、p559
島津盛太郎:福井県神社誌、福井県神職会、1936年、p326〜327
杉原丈夫編:越前若狭の伝説、松見文庫、1970年、p663〜664 https://dl.ndl.go.jp/pid/12467707/1/346
杉原丈夫ほか:中部の民間療法、明玄書房、1976年、p34〜35 https://dl.ndl.go.jp/pid/12169789/1/21
写真:内岡 恵撮影(2023/6/27)


