乳信仰探訪

下一色の乳地藏さん

五の谷川の岸辺の畑地の木のそばに小さいお堂がポツンと立っている
かわいい新しい前掛けがかかった石地蔵

東近江市と愛荘町の境目、五の谷川を渡る北浦橋近くの川岸にぽつんと小さなお堂が建っている。昔から「乳地蔵さん」「乳子地蔵」と呼ばれ、乳授けだけでなく乳預けの祈願が行われたことが、『湖東町のむかし話』『湖東町の伝承と伝説』にある。
『湖東町のむかし話』にある話は、お乳を授けて下さいますようにとお願いすると間もなくたくさん出るようになる。授乳をやめた後に乳が止まらず困る場合は、乳を湯のみ茶碗1杯に入れてお供えしてよくお礼を申し上げる。すると乳の出が止まったとのこと。『湖東町の伝承と伝説』には、「乳離し」の際には、子どもを連れてお参りし、乳はお地蔵さまにあげるのでもう飲めない、と言い聞かせたとある。
以前は下一色町の北のはずれにあったが、圃場整備の関係で現在地に移転されたらしい。石に彫られたお地蔵さまで、可愛い模様の新しい前掛けが掛けられている。現在は地元の方が個人で管理しており、地蔵盆の時期になると提灯などを飾っているとのことである(内岡 恵が取材)。

湖東町教育委員会:湖東町のむかし話、1979年、p27〜28
横田英男:湖東町の伝承と伝説、サンブライト出版、1987年、p145〜146
写真:内岡 恵撮影(2023/7/14)

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