乳信仰探訪

2023年に地蔵講が解散するまで山の上に祀られていた時のもの
麓にある石堂寺に祀られることなった
石堂寺は集落はずれの閑静な場所にある

別項の北畠具行の墓「ちち墓さん」の取材の際に、地元の女性から乳のご利益というとこれじゃなく少し行ったところにある峠の地蔵のことだよ、との情報があった(2023年11月内岡が取材)。『山東昔ばなし』にある猫居(ねこおり)峠の乳地蔵がそれである。
むかし赤ちゃん連れの女性が、事情があって峠の石地蔵の前に赤ちゃんを捨ててその場を去ったのだが、気持ちが変わり、もう死んでいるかもと戻って見たところ、赤ちゃんは元気で顔を綻ばせていた。地蔵の胸が濡れていたので、地蔵が赤ちゃんに授乳していたのだろうと感謝した女性は麓にある清滝の徳源院という寺に入り、赤ちゃんは名僧となったと書かれている。
以前は山の上の石で囲まれた場所に祀られ、地元の人たちが長く管理していたが、2023年12月に地蔵講が解散して石堂寺に引きとられた。石堂寺の道路に面して多くの石仏や石造物が並んでいる場所に安置されているが、案内板などはない。
『米原市文化財保存活用地域計画』には猫折坂の峠地蔵(乳地蔵)と、『石塔造立ー米原石造物100ー』には猫居坂峠の地蔵と記載されているが、猫居の方が正しいようだ。

山東昔ばなし編集委員会:山東昔ばなし ふるさと近江伝承文化叢書、サンブライト出版、1977年、p134〜135
米原市教育委員会事務局生涯学習課:米原市文化財保存活用地域計画、2023年、p177
https://www.city.maibara.lg.jp/material/files/group/47/maibarabunkazaihozonkatuyoutiikikeikaku-3.pdf
米原市教育委員会:石塔造立ー米原石造物100ー、2016年、p16に写真
https://www.city.maibara.lg.jp/material/files/group/47/11.pdf
写真:内岡 恵撮影(2023/11/1)、奥 起久子撮影(2025/7/13)
資料提供:滝本浩俊氏(前石堂寺住職)

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