乳信仰探訪

集落の外れの和田打川沿いの道路脇に3体の石地蔵が祀られている場所がある
乳授け祈願にはお菓子を、乳預け祈願に赤い涎掛けを奉納したという

集落の外れ、永田の和田打川沿いの道路脇に石の乳地蔵が祀られている。これは「乳地蔵」さんで、昔は2本のスギの大木がそばにあった。母親たちが乳の出を祈願したり、子どもが成長していらなくなった時には乳を預ける祈願をしたりしたことが『高島の昔ばなし』に記載されている。
そこにある話で面白いのは、乳の出の祈願には菓子と御酒を供え、上から来る人に御酒を飲んでもらう、いらなくなった時のお参りではお礼として名前を書いた赤い涎掛けを地蔵尊の首にかけ、今度は下から来る人に御酒を飲んでもらったということである。
3体のうち真ん中の1体が定印している阿弥陀如来坐像で、高さ70cm(光背を含めると90cm)、室町時代の作であることが『高島町史』『図説高島町の歴史』にある。
ここの通りがかりの人に御神酒を飲んでもらうというのとは、佐賀県伊万里市、鹿路峠の乳道祖神で聞いたことがある。注連縄切りという神事があり、そこでも通りがかりの人に注連縄を切ってもらってお酒を飲んでもらうという伝承があるそうだ。

高島の民俗30号:昭和58年11月1日発行
高島町教育委員会:高島の昔ばなし、高島町教育委員会、1980年、p114〜115、117
高島町史編さん室:高島町史、高島町、1983年、p287、p599
https://dl.ndl.go.jp/pid/9571040/1/159   https://dl.ndl.go.jp/pid/9571040/1/315
高島町史編さん委員会編:図説高島町の歴史、高島町、2003年、p46
写真:奥 起久子撮影(2022/11/27)
資料提供:高島市教育委員会

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