亀岡市の住宅街の一角にある宗堅寺。本殿と棟つづきの客殿におさめられている薬師如来坐像は、乳薬師とも呼ばれ、授乳・安産・子授けにご利益ありとして古くから信仰を集めていると『新編桑下漫録』ほかいくつかのサイトで紹介されている。像高75cm、平安時代末期の作で、京都市内の法界寺 日野薬師と同木同作と伝えられているが、この日野薬師も乳薬師と呼ばれ乳の祈願でよく知られている。
宗堅寺は山号を幸雲山という曹洞宗の寺院で、聖観音菩薩がご本尊。延徳元年(1489)に長徳寺として創建。安土桃山時代の羽柴秀俊(後の小早川秀秋)が藩主の時、息子の菩提を弔うため毎年米2石を寄進した亀山5ケ寺の一つとの記録がある。寛永12年(1635)に城主となった菅沼定芳が菩提寺として改修し、父親の戒名をとって宗堅寺と改称した。境内の奥には亀山城の惣堀跡である「お土居」が残っている。
矢部 朴斉、永光 尚:新編桑下漫録、南郷書房出版部、1984年、p99〜100
サイト「京都通百科事典―宗堅寺」https://www.kyototuu.jp/Temple/SoukenJi.html
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写真:奥 起久子(2022/10/18)


