伏見区の醍醐の山が近くに迫る場所にあり、日野のお薬師さんとして親しまれる。本堂薬師堂に秘仏である高さ約80cmの薬師如来像が安置されている。子授け・安産・授乳のご利益を授かる場所として古くから信仰されているとWikipediaにある。薬師堂の格子戸には願いごとを書いた涎掛けが多数結びつけられて奥が見えない状況。
また全国的に数少ない「授乳専用お守り」も販売しており、ここの乳についてのご詠歌「おさなごは つえよはしらの ひのやくし 乳をたまわる 母とこそ知れ」を記したご朱印が発行される。
以前は乳型絵馬が奉納されており、また乳預け祈願があったという情報がサイト「きょうのまなざし」にある。出典は『京都記録叢書』で、乳のない人、乳の余る人がお参りし、布で乳を作りそれを小繪馬にして御礼奉納したものが多数あったと記載されている。
法界寺は真言宗醍醐派の古刹で、弘仁13年(822)に藤原家宗が天台宗の開祖である最澄作の薬師如来をお祀りしたのがはじまりとされる。日野富子で知られる日野家の菩提寺で、西国薬師霊場第三十八番の札所でもある。阿弥陀堂と阿弥陀如来は国宝、薬師堂、薬師如来、日本最古という天人壁画は重要文化財指定。
田中緑紅:京都記録叢書 第三巻 京都神佛願懸重寶記、郷土文化研究会、1943年、p21
https://dl.ndl.go.jp/pid/1062521/1/21
サイト「きょうのまなざし」https://www.kyotocity.net/diary/2016/0614-chomeiji-ajisai/#i-11
神戸新聞出版センター:京阪神ご利益ガイド、神戸新聞出版センター、1985年、p109
ウイキペディア法界寺 https://ja.wikipedia.org/wiki/法界寺
写真:奥 起久子撮影(2021/7/24)