乳信仰探訪

イチョウは市の保存樹木に指定されており、二股に分かれて大きく枝を広げている
多数のチチが下がっており、祈願の対象になっていた

矢作神社のイチョウは、樹高15.9m*、目通り幹周 4.08m*、推定樹齢600年**といわれており、市の指定保存樹木。高さはないが二股に分かれて大きく拡がり、多数のチチが下がっている。『近畿の民間療法』と現地案内板に「乳状の下垂物の薄皮をはぎ煎じて用いると乳の病によく、乳汁を豊かにするといわれる」とある。八尾市文化会館大ホールの緞帳(どんちょう)の図柄にもなっている。
矢作神社は、延喜式神名帳に記載ある式内社なのでかなりの古社。かつての「矢作連」の邸跡であったといわれ、その氏神とのこと。この地域は古代の豪族・物部氏の本拠地であり、矢を作る職人集団の「矢作氏」と弓を作る「弓削氏」とは、物部宗家と親類関係にあって物部氏の隆盛を支えた氏族であったという。
*1991年環境庁データベース  **現地案内板による

サイト「巨樹と花のページ」http://www.tree-flower.jp/27/yahagi_jinja_512/yahagi_ohicho.html
ウィキペディア「矢作神社」 https://ja.wikipedia.org/wiki/矢作神社_(八尾市)
倉田正邦ほか:近畿の民間療法、明玄書房、1976年、p113   https://dl.ndl.go.jp/pid/12169957/1/60
写真:内岡 恵撮影(2023/5/16)

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