勝根集落にあった勝楽寺ご本尊の薬師如来は、お産をした人や妊婦がお参りすると乳を授けてくださる霊験あらかたな仏像であるという話が『当麻村史』にある。
近くにある自治体で立てたと思われる「葛城市勝根案内板」に、「乳を授けてくださる仏さま:勝楽寺の本尊は薬師如来で、お産をした者が詣でると乳を授けてくださると伝えられています」と、他の旧跡と並んで紹介されている。
勝楽寺は真言宗長谷寺の末寺で、他に観音菩薩や弘法大師もお祀りされていたそうだが廃寺となり、薬師堂は昭和後期に勝根公民館として建て替えられて、薬師如来はその中に安置されている。高さ37.5cmという情報があるが、公開されていない。境内の多くの五輪塔残欠は室町期という古いものとのこと*。
*当麻町史編集委員会編:當麻町史、当麻町教育委員会、1976年、p454 乳の記載はない
池田末則編:当麻村史、当麻村教育委員会、1956年、p272 https://dl.ndl.go.jp/pid/3017365/1/155
写真:内岡 恵撮影(2024/1/15)