乳信仰探訪

街道筋の落ち着いた場所にあり立派な門構え
檀家が協力して管理しており、公開されていない

この薬師さんは、丹生寺境内の薬師堂に祀られている。「婦人の授乳に霊験があると言われ、乳の欲しい人は焼餅を供えて戴くと乳を授けてくれたので、お参りする人が多かったという」と『大和下市史』に書かれている。
丹生寺は山号を丹渓山という浄土真宗本願寺派の寺院。現在の丹生寺のご本尊は阿弥陀如来だが、丹生寺は設立当初は禅寺で薬師如来は当時のご本尊だった。文章正年間(1466〜1467)浄土真宗に改修した際に別の場所に移され、明治の廃仏毀釈の際に元の丹生寺の境内に移されたという。文禄4年(1595)以降丹生寺を公称するようになったとのこと。
下市町の市街地から南へ、309号線を天川村に向かってしばらく行った街道筋の落ち着いた場所にある。大変大きい寺院であるが無住。現在地域の檀家が協力して管理しており、公開されていない。

下市町史編集委員会:大和下市史 続編、下市町教育委員会、1973年、p878〜879 https://dl.ndl.go.jp/pid/9573627/1/461
写真:奥 起久子撮影(2024/1/16)

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