乳信仰探訪

大乗寺の門前にある薬師堂
公開されていないが、藤原期以前のものといわれ町指定文化財

草谷の薬師さんと呼ばれて親しまれてきた薬師如来は、乳に大変霊験があり、欲しい人が乳もらいの祈願にくるだけでなく、要らなくなると乳預けの祈願にもくるということ、その際には搾乳して「上げておく」とうまく止まる、といわれて参詣する人が多かったと『大和下市史』に記載がある。
薬師像が作成されたのは藤原中期以前と考えられ、檜寄木造りで像高86cm、町指定文化財に指定されている。大乗寺の門前にある薬師堂に安置されており、薬師堂のみが伃邑区自治会によって管理されている。
大乗寺は山号を瑠璃光山という浄土真宗本願寺派の寺院で、ご本尊は阿弥陀如来。周囲は集落から離れた山里で、寺院も薬師堂もすぐ隣の鐘楼も落ち着いた里山に溶け込んでいる。

下市町史編集委員会:大和下市史 続編、下市町教育委員会、1973年、p836〜837
写真:奥 起久子(2024/1/17撮影)

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