唐戸集落の県道沿いの岩屋の中に石造りの薬師如来が祀られている。乳の出を祈願して1.2合の洗米と「奉納」の文字と氏名を書いた手拭いを上納し、乳が出るようになるとお礼に餅か饅頭を供えたこと、乳が出過ぎる時も洗米を供えて祈願したという話が、『西吉野村史』にある。
永久3年(1115)覚鑁(かくばん)上人がここを通った際に、道端から光を発するものを見つけたのが、この瑠璃光如来(薬師如来)だという。石室の中には、上段に地蔵尊、木造社殿、中段に由緒碑と石がお祭りしてあるとのこと。
近所に住む81歳の女性の話によると、お薬師さまなので健康を祈願して毎日お参りしている。乳の祈願のことはよく知られており、最近知人に孫が生まれて、乳が授かるよう遠くからお参りに来たとのことであった(2024年1月取材)。
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西吉野村史編集委員会:西吉野村史、西吉野村教育委員会、1963年、p322、p499
https://dl.ndl.go.jp/pid/3017388/1/183
https://dl.ndl.go.jp/pid/3017388/1/276
写真:奥 起久子撮影(2024/1/15)