日本助産師会出版

乳信仰探訪

妙見神水(みょうけんしんすい)

大量の湧き水がコンコンと湧き出ている
五ヶ瀬町日蔭土地改良区で建てた現地案内板に乳の祈願の情報がある
側にある妙見神社は清和天皇時代の建立と伝えられる

宮崎県と熊本県との県境に近い祇園山に妙見神社がある。駐車場から階段を降りていくと神社があり、近くの石灰岩の隙間から大量の水が湧出している。古くから「授乳の神水」と呼ばれて知られ、妊婦が飲むと丈夫な子どもを授かり、授乳中の人が飲むと乳がよく出るという話が、五ヶ瀬町日蔭(ひぞえ)土地改良区で建てた現地案内板や環境庁のサイトにある。
地元では「妙見さんの水」と呼ばれ、平成20年(2008)環境省選定の「平成の名水百選」に選ばれている。水量がとても多いため飲料水や農業用水として活用され、ここの湧水を水源とした水田は平成11年(1999)農林水産省「日本の棚田百選」に選ばれている。
妙見神社は、貞観11年(870)清和天皇時代の建立と伝えられている大変古い神社。祇園山からは4億3千万年前のサンゴや貝の化石が出土しているので、この水は九州の島ができた時代の石灰岩層から湧き出る「四億年の雫」だそうだ。

環境庁の湧水のサイトhttps://www.env.go.jp/water/yusui/result/sub4-2/PRE45-4-2.html
環境庁「名水百選」 https://water-pub.env.go.jp/water-pub/mizu-site/newmeisui/data/index.asp?info=95
写真:奥 起久子撮影(2021/5/4)

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樹木(イチョウ以外)その他現存せず奉納物(乳絵馬)奉納物(乳型)存在せず摩崖仏神社樹木(イチョウ)仏像寺院仏像(堂)岩石乳神など

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