潮(うしお)神社は「おっぱいの神さま」といわれ、乳の祈願には「乳型を年齢の数だけお供えして祈願するとよい」という話が現地に掲げられている「潮神社由来記」にある。次のような岩の伝説が伝わっている。
神社の前にある池の畔には、むかし大切にすれば水をもたらし、粗末に扱えば怒って日照りを起こす不思議な岩があった。村の年長者である老女が「岩に女たちの乳を供えれば許される」と教えたが、水不足のため乳が出なかったため、代わりに布で作ったおっぱいを納めたところ、雨が降って池に水が戻ったという。
本堂内には布で作られたおっぱい模型が多数奉納されており、「おっぱいが出ますように」という願い事が、名前とともに書き込まれている。祭神は鵜草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)で、毎年4月29日には「おっぱい祭り」が開催されている。
また、池をまわり込んで行ったところに小さな祠があり、塞神社(さいじんじゃ)と言われる男性の神さまである。金精さまがいくつか祀られていて、この場所では子授けのご利益と乳授けのご利益がセットになっているらしい。
同じような場所として、岩手県遠野市にある鵢崎(みさざき)や飯豊(いいどよ)の乳神さま、福島県鏡石町にある牛乳山乳石道祖神などがある。
湯前町公式サイトhttps://www.town.yunomae.lg.jp/kankou/kiji003927/index.html
湯前町商工会公式サイトhttps://yunomae-shoko.com/賽神社/
ブログ「神社と古事記」 https://www.buccyake-kojiki.com/archives/1025516246.html
写真:奥 起久子撮影(2017/05/02)